カムライが 花嫁を迎えるために、 春の離宮に入った。
マホロバからの一行は避孕 藥 、 さる 高位の貴族の屋敷に迎え入れられ、
その屋敷を コクウの護衛兵が 守った。
マホロバから 数はさほどでもないが 精鋭がついてきている。
特に 屈強な者七人が 姫の間近に控え、 警護を固めていた。

ホジロも おまけのように 一緒に くっついてきたが、
馴染みになっていた 調査団の使った宿に 泊まろうとしていた。
婚礼を翌日に控えて、 コクウ国内は 祝賀のお祭り騒ぎに沸きかえっていた。
まるで、 マホロバに ユキアが生まれた時 を再現するかのような騒ぎだった。

近隣の民も、 あるいは 遠方からでも 、一目 皇太子妃を見ようと 城下町に押し寄せていた。
祝賀の催しも 盛りだくさんに 予定されていて、
三国同盟結成一周年の 祝賀記念式典をはるかに凌ぐ 賑わいを見せていた。

だから、 宿は 満杯で 部屋が取れない。
ホジロは 焦った。
「相部屋でも何でもいいですから、 一人くらい 何とかなりませんか」
粘りに粘った。

「ほかならぬホジロ様ですから 何とかしてさし……あっ、
男の方ばかり 四人様の部屋が、 あと一人なら 何とかなりそうです。
相部屋をお願いしてみましょう」

根負けした番頭の後ろについて、
気のよさそうな 若い男ばかりの一行だ。
ホジロも 出来る限り 愛想よく 一緒に頼んでみたが、 あっさりと断られてしまった。
「すいませんね。 一人 神経質な奴がいて、 他人様と一緒だと 眠れないもので」

がっかりしたホジロは、 その場で さらに 番頭に泣きついた。
「布団部屋でも何でも かまいません。
そうだ、 忙しいでしょうから、 お手伝いをします門禁
ゴミ集めくらいなら 出来ます」

言いながら 部屋のゴミ入れをつかんで、 番頭に 訴えかけとうとしたが、
ゴミ入れは 無情にも転がり、 中の物をぶちまける結果になった。
あわてて拾い集めるホジロを 健気に思ったのか、 番頭は 見捨てなかった。

「いえ、 手伝いはけっこうです。 本当に 布団部屋しか空いていませんよ。 それでもよければ」
ホジロの手つきを見て、 かえって 使えない と判断したようだったBotox 瘦面
「ありがとう、 助かります」

部屋を出ようとして、 番頭が 四人に振り返って 聞いた。
「春の離宮の場所は、 お分かりになりましたでしょうか」
「はい、 おかげさまで。 遠くから チラッと見ただけですが、 見物できました」

いかにも おのぼりさんらしい のんきな会話が 終わるのを待って、
やっとのことで、 薄暗い布団部屋に 案内された。
ほっとすると、 手に ボロ布の切れ端をつかんでいるのに 気がつく。
さっきの部屋の ゴミ入れに入っていたのを 持ってきてしまったらしい。
自分でうんざりして、 捨てようと 端を摘んで 目の前にぶら下げる。